暖かい。日差しはもう完全に春!雪が残るのも、北側の軒下だけ。薪を運ぶついでに畑に出てみた。土の香りが爽やかに漂う。田舎で暮らす幸せをつくづく感じる時だ。取り残しの白菜や青菜は早くも薹立ちが始まっている。冬越しキャベツも小さいながら、ぐいと身体をもたげてきた。穏やかな春の陽光に包まれて、作物たちの目覚めの声が聞こえてくる。
よしっ、今日はランニングはおあずけ、野良仕事始めよう。それにしても早いよなぁ、いつもなら、そちこちに雪が残って、とてもとても畑に出ようなんて思わないもの。農作業の開始は、いつだって稲の種籾の塩水選、冷たい風に吹きさらされながら、仕方なく取りかかるうんざり仕事だ。ああ、春になるのか、ぐうたら冬ごもりもお終いか、もうちっと、ぐだぐだしてたいのに、・・・・・なのに、今年はどうだ!まだ3月半ば彼岸前だっていうのに、心も体も畑モードになっている。思うに、雪も少なく、寒さもほどほど、冬眠の眠りも浅かったってことなんだろう。そう、目覚めてしまったってことだ。
さて、何から始めよう?仕事の段取りからすれば、雪囲いはずしと片づけってところだろうが、この浮き立つような春風の中で、材木担いで往復なんて気が乗らない。やっぱり畑!生き返った作物たちのために何かしてやんなくちゃ。で、まずは、イチゴだな。冬の間雪に覆われ続けて、ほとん゛の葉が枯れている。それでもしっかり生きながらえた株元からぐいぐいと新芽が伸び上がってくるのはすぐだ。その前に肥料をやろう。表土をマルチしてやろう。
冬中かかって発酵させたぼかし肥えをイチゴ畑全面に散布、次に秋のうちに積んでおいた籾殻堆肥をこれまた全面にまき散らす。よしよし、こうしておけば、新しい葉はぼかしの栄養吸い込んで大きく育ち花芽も立派に生長するだろう。下に敷いた籾殻堆肥は、株を乾燥から守るだろうし、雑草よけにもなるし、大きく実った果実が土に触れるのを防いでくれるだろう。今年は、イチゴ狩りさせてあげるよ、ってこども達とも約束してあるから、まずイチゴ畑はきれいに作らなくちゃならない。
次なる作業は、・・・タマネギの畝間の除草作業か。雑草たち、肝心のタマネギ以上に元気よく生え広がっている。春先の草だから、って放っておくとあっという間にタマネギを打ち負かすやっかいな連中だ。ホーを使って根本から掻き取るように草を:削り取っていく。10mほどの畝が2条植えで4列、計8列がタマネギのはずなのに、雪に埋もれて消えてしまったものがけっこう多い。生き延びた株もどうも頼りないから、今年もまたあまり期待できないな。だったらなおのこと、生き伸びたタマネギたちは大切にしてやんなくちゃ。畝間、株間をまんべんなく引っ掻き終えて、本日は終了。草が枯れたら、イチゴ同様肥料をやって籾殻堆肥で覆う。それは明日以降の仕事、まずは試運転、ゆっくりと身体動かしていかないとね。
たった2時間の軽作業だっていうのに、汗びっしょり!そうだ、畑仕事ってこんな感じだったよなぁ。こんな爽やかさだったよなぁ!さあて、春本番に向けて、心も体も本格始動の準備を始めよう。