さすがに第28回ともなると、一人一人の力も付き、要領もわきまえ、お互いの信頼も高くなって、順調に仕込みは進んだ。ただ、今回の難題は照明が次々に断られて、なんとまったくの初心者にお願いせねばならなかったことだ。菜の花座の旧メンバーに頼むという手もあったのだが、敢えて、将来性のある新人に頼んだ。と言っても、シニア!二期生メンバーの一人、Mさんだ。無茶苦茶!って思うかもしれない。冒険だぁぁぁって思うかも知れない。でも、僕にはそれなりの成算があったんだ。
まずは、Mさんの人柄と能力。仕事に対して極めて誠実で、几帳面かつ、やる気旺盛な人だ。二期生ステージの準備でも率先して資料を整え計画も立案してくれる。演出指導のこちらが追いまくられるほどの意欲的な取り組みぶりなのだ。当然、その仕事の質もレベルが高い。全体を見通す力、一を知って十を推察する能力、まったくもって隙がない。さらには意欲だ。
ねっ!これほど揃えば、初めてだろうと任せたくなるでしょ。と言っても、プランのデザインから実際の色作りまですべてお願いできるわけはない。照明はそんなに甘いものなんかではない、当然。だから、彼女にお願いするのはオペレーターとしての役割だ。デザインと色作りはメンバーでやって記憶し、フェーダーの上げ下げを担当してもらうことにした。いや、これだって大変!なことなんだ。なんせ、調光室に入るのは初めてって人なんだから。
常に完全な仕事を追求する彼女としては、かなりのプレッシャーだったようだ。失敗したらどうしよう、そればっかりを言っていた。だから、こちらとしても、彼女が失敗しないよう、迷わないよう、万全の準備を行うことにした。色作りは僕とNがきっちりと行い、操作のオリエンテーションもNが懇切丁寧に行った。さらに、作った色のチェックも時間をかけて入念に行った。
と言うことで、リハーサルに時間を取られ、ゲネは残り2シーンを残し時間切れ、明日に持ち越しとなった。役者の方は、相変わらず、とちったり詰まったりが多く、明日は頼むよぉぉぉ!って状態だったが、照明はばっちり!途中からはまったく不安なく見ていられた。さすが、僕の見込んだだけのことはある、ってなに自慢してんだ。
役者の方も、シニアが入って緊張感と和気藹々とした信頼感が生まれて、良い演技になってきた。今日のとちりは、明日の成功!きっと素晴らしい舞台を作ってくれることだろう。
さあ、皆さん、見ないと損ですよ。ゲネの様子をチラ見させて上げるるからね、明日は2時開演!だから、待ってるよ!


